音声変換システム

概要

工事現場や空港などの高騒音下の環境では, 音声によるコミュニケーションが困難になる. このような高騒音下では, 骨伝導マイクが使用されている. 身近なところでは, 携帯電話の付属品として骨伝導マイクがある.

通常のマイクは空気中を伝わる音声(気導音声)を, 一方, 骨伝導マイクは頭蓋骨を伝わる音声(骨導音声)を収録している. 骨導音声は骨の振動を直接収録しているため, 周囲の騒音や風の影響を受けにくい利点があるが, 骨導音声は高周波領域の信号が著しく劣化しており,明瞭性に欠ける(図1).

そこで, 確率モデルに基づく声質変換により骨導音声の音質改善の研究を行っている(図2). 声質変換とは, 発話内容を変えずに, 別の話者が発話しているようにみせかける技術である. 骨導音声にこの技術を適用し, 疑似的な気導音声に変換することにより音質の改善を行う(図4).

 


図-1:気導音声と骨導音声の比較




図-2:変換モデルの作成




図-3:GUIでの信号の比較




図-4:変換した骨導音声のサウンドスペクトログラム


関連プロジェクト

  • 山口大学イノベーションシーズ育成プログラム
    平成21年度〜平成22年度 「骨導マイクによる各種電子機器の多様な操作に関する研究」
  • 日本学術振興会科学研究費補助金 基盤研究(C)
    平成15年度〜平成18年度 「超高騒音下における音声コミュケーションの実現」